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世界一「考えさせられる」入試問題



 本書内では、フレームワークとしての思考方法を紹介するのではなく、筆者の自身の思索した結果を紹介しているので問題の意図が分かりづらい。結果として「オックスブリッジは難しい質問をするんですね」という感想で止まりがちである。「物事にはいろんな見方と側面がある」というのを学ぶだけではあまりに短絡にすぎるのでは。



 重要なのは、本書で紹介されている問題の発題者が「受験者の思考方法を探っている」ということではないだろうか。つまり問題に取り組むフレームワークが試されているだと思う。
 質問の前提と問いかけの意味を暗黙のものも含めて逃さないように自分で解釈し、最低限求められる教養で穴埋めをし、時には推論で補いながら自説を論じる行為そのものが求められているのであろう。(実際の受験時には受験者からの問題を明確化するための逆質問が許されるのかも)。課題設定、フェルミ推定、一般教養等の総合問題である。


 
 そのような観点でみれば、オックスブリッジの出題は受験者の資質を測るにふさわしい問題であるし、筆者の回答自体は優れたものだとわかる。



 ただ、自分でフレームワークを学ぶためには本書ではなく「知的複眼思考法」や「いかにして問題を解くか」といった本を手に取ったほうが再現性が高い。

いかにして問題をとくか

いかにして問題をとくか

  • 作者:G. ポリア
  • 発売日: 1975/04/01
  • メディア: 単行本